「シェイプオブウォーター」の感想、純愛の映画だった。

原題:The Shape Of Water
ジャンル: ドラマ/ファンタジー
公開年: 2018年
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、オクタヴィア・スペンサー、マイケル・シャノン
第90回アカデミー賞
作品賞 受賞
監督賞 受賞
美術賞 受賞
作曲賞 受賞
第75回ゴールデングローブ賞
監督賞 受賞
作曲賞 受賞
第74回ヴェネチア国際映画祭
金獅子賞 受賞

発話障がいだからこそコミュニケーションが取れる

冷戦下のアメリカ、発話障害のイライザは、航空宇宙センターの清掃員として働いています。
ある日、研究施設に半魚人?宇宙人?(ここでは半魚人としておきます。
とにかく奇妙な実験体が運び込まれます。

この半魚人はとても凶暴で人を襲います。
しかし、イライザにだけは心を開いている?のか危害を加えようとしません。

それがなぜなのか説明はされませんが、おそらく行動や態度から感情を読み取ることができるのでないでようか。(ということは感情を持っている生物???)
危害を加えようとする存在にはかみつくし、それ以外には何もしないわけです。
半魚人はアマゾンの奥地で現地人の崇拝を受けていた神のような存在だったことが報告されます。
そこで人間の感情を理解できるようになったのでしょうか。

イライザはしゃべれないので手話で半魚人とコミュニケーションを取ろうとします。

手話を理解できるようになっていく半魚人と
徐々に仲は縮まっていき、イライザはありのままの自分を見てくれる半魚人に恋心を抱きます。

とてもきれいな作品

ただのロマンス映画かと思いきや、社会風刺の側面も含んでいます。

イライザに味方する人々は黒人、ゲイの画家など一般社会から逸脱したマイノリティーです。一方で半魚人に暴力をふるい、イライザたちにに高圧的な態度を示す軍人ストックランドがいます。
それは人類が人種差別や性差別を繰り返してきた歴史を表しているのだと思います。
そういった歴史的な過ちと一人ひとりがもつ小さな幸福が絶妙にミックスされています。

残念に思うところ

劇場に足を運び、観させていただいた映画でしたが、ちょっと残念に思ったところがありました。
まずは脚本に関してですが、イライザが半魚人に出会ってから恋心を抱くまでが早すぎるなぁと思いました。早送りで時を重ねている部分もあるのですが、もう2,3慣れ染めのエピソードがあっても良かったんじゃないかと思いました。

次に映像に関してですが、この映画はR15+作品となっています。
思わず目を覆いたくなる痛々しいシーンや性表現のシーンがあるのですが、明らかに不自然なモザイクがあります。そこで世界観が崩れてしまい、現実に戻ってしまう感があります。日本で上映する以上仕方ないのかもしれませんが、個人的には萎えてしまいました。

この映画を見て感じたことをだらだらお伝えしましたが、
シェイプオブウォーターはアカデミー賞で作品賞も含め、4部門も受賞した作品になります。
一見の価値はありますので、ぜひ一度みてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。