【ネタバレあり】「ルーム」の感想。涙なしには観られない作品でした。

引用(http://eiga.com/)

原題:Room
ジャンル:ドラマ
公開年:2015年
監督: レニー・アブラハムソン
出演:ブリ―・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン、ジョーン・ブリジャース

第88回アカデミー賞
主演女優賞 受賞
作品賞 ノミネート
監督賞 ノミネート
脚色賞 ノミネート
第73回ゴールデングローブ賞
最優秀主演女優賞 受賞
最優秀作品賞 ノミネート
最優秀脚本賞 ノミネート

作品紹介

「ルーム」はアイルランド出身のエマ・ドナヒューのベストセラー小説「部屋」を映画化した作品です。誘拐され、納屋に監禁された女性ジョイとそこで生まれ育った子供ジャックが外界に脱出し、社会に適合していこうとする過程を描いた作品となっています。


『監禁』という重いテーマを扱っており、また、経験したこともないのでどうしても他人ごとのように感じられるのですが、素晴らしい演技と素晴らしい映像によってあたかも同じ空間にいるような当事者意識を植えつけられます。
引用(http://eiga.com/)

暗い監禁部屋から解放されて、これまで通りの生活が送れるはず、、、でしたが空白の時間があまりにも長く、ジョイの周りの環境は大きく変わってしまっていたのです。


歓喜の脱出劇に加熱する民衆やマスコミの影響も相まってジョイの心の整理はなかなかつきません。それを見つめるジャックは何を思うのか、ジャックが少しずつ大人になっていく姿に多くのことを感じるのではないでしょうか。

これぞまさに映画

この作品のいいところは脚本と撮影と音楽が完璧にマッチしている点にあると思います。

撮影の仕方ひとつとっても"感情"をうまく表現できているなぁと感じました。
撮影は基本ジャックを中心に映しており、彼の心理描写が映像に反映されるといったつくりになっています。


たとえば"部屋"にいるとき、ジョイと二人きりの世界にいるときは非常に接写です。
そして、外の世界に出て、新しいものに触れているときは広く背景を使った映像を使用しています。


視聴者が無意識にジャックの心の中に入り込めるような工夫がされていると感じました。
これこそまさに小説だけでは感じることのできない奥行きなのではないでしょうか。
引用(http://eiga.com/)

終わった後の虚無感

観た直後の感想は"無"でしたね。
しばらくしてから何とも言えない"寂しさ"が押し寄せてきます。
引用(http://eiga.com/)
ジャックはジョイが監禁されているときに乱暴されてできた子供なので
存在だけで周りの大人は誘拐犯のことや事件のことを思い出してしまいます。それもあってジャックを見つめる大人のまなざしはどこかぎこちないんですよ。


でもジャックはまだ5歳なんです。自分が大人を傷つけているなんてわかってないんです。ましてや自分が望まれずに生まれてきたことすらもわかっていないのです。


それがまた悲しいというか切ないというか、、、

ぜひそのあたりも注目してみると映画をより楽しめるかもしれません。



主演のブリ―・ラーソンとジェイコブ・トレンブレイの二人は素晴らしい信頼関係を築いたと思います。でなければあそこまで自然な親子は演じることができないのではないでしょうか。
「ルーム」は賞レースの多くの部門でノミネートされた作品です。一見の価値アリ!なのでぜひ見てみてください。



最後まで読んでいただきありがとうございました。